ベートーヴェン三大ピアノ・ソナタ「月光」「悲愴」「熱情」は月光の第3楽章が特に良い

世界中には沢山のピアニストが存在しますが、同じ曲を弾いても一人一人、弾き方が微妙に違う為、曲から受ける印象もピアニストに依って全く違って来るのです。

昔は、日本や海外で現在でも音楽活動をされているピアニストの、フジ子・ヘミングさんのファンで彼女のCDアルバムを良く聴いていました。そして、彼女が出版した本も必ず購入して、熱心にフジ子さんの世界観に私もどっぷりと浸っていました。しかし、最近ではドイツのペーター・レーゼルさんの弾かれるベートーヴェンのソナタに大変な感銘を受けて、「月光」「悲愴」「熱情」の入ったこのCDを聴く事が多いです。その中でも「月光」の第3楽章プレスト・アジタート嬰ハ短調は、1993年に全国公開された映画「月光の夏」で、未だ若い東京の音楽大学に通っていた生徒が戦争末期に特攻隊として、最後に一度だけピアノを思い切り弾かせて欲しいと、グランドピアノが有る小学校迄訪ねて来て、人生で最後かも知れないピアノを弾くシーンで弾いた曲なのです。

何故そのシーンを24年も前の事なのにはっきりと覚えているのかと言うと、其の曲調の余りの速さに吃驚したからです。ダイナミックさ溢れるこの第3楽章は、指の動きが兎に角早いので、映画を見た時も凄いと感じた印象深い曲です。この難曲を見事に弾いているペーター・レーゼルさんは、ドイツ人らしさが弾き方に表れていると思います。正確で的確な部分です。情感たっぷりのフジ子さんも素敵ですが、ペーターさんも素敵です。